人気ブログランキング | 話題のタグを見る

さちおの日々のつぶやき。ボクスターネタはほとんど出てきません。


by boxster_sachio
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

ギターという楽器 【序章】

今日はちょっと趣向を変えて、音楽のお勉強。
もちろん読み進めるうちにギターの本質を把握できる(はず)という贅沢な企画です(笑)。

突然ですが、ポルタメントとグリッサンドをご存知ですか?
portamento、glissando、いずれも音楽用語です。
どちらにも共通するのは「音程の離れたふたつの音の間を一気に弾く奏法」だということです。
「音程の離れたふたつの音」とは、仮に高いドと低いド、と思ってください。

例えばピアノソロの終わりに、ピアニストが鍵盤をなで下ろすような動作で、高音から低音まで一気に駆け下りることがあります。逆にソロの始まりの一音の前に、低音から高音まで一気に駆け上がることがあります。
高音から低音の場合「高いドから低いドまでピアノの鍵盤が、高速で順番に鳴らされる」ということになります。
これがグリッサンドです。

高いドからグリッサンドで下がった場合、その次に出る音は・・そう、もちろん高いシですね。
白鍵だけをなで下ろすと考えた場合、グリッサンドを拡大してみれば「ドシラソファミレド」を一気に駆け下りることになります。
仮に黒鍵も加えたら「ド・シ・シ♭・ラ・ラ♭・ソ・ソ♭・ファ・ミ・ミ♭・レ・レ♭・ド」ですね。

ここで注目したいのは、グリッサンドは最小でも半音単位でしか移動しないということです。
つまり構成音は「階段状」になっており、3段目の次は必ず4段目で、その間はないのです。

対して「ポルタメント」は「無段階に滑らかに」音程を変化させることです。
構成音は階段状ではなく「連続した坂道状」になっており、階段と階段の間に無数にある「名もない音程」も全て拾い出します。(例えば「ドとシの間、10分の7」とか)
「階段状・段階的な音程の上昇/下降=グリッサンド」
「無段階に連続した音程の上昇/下降=ポルタメント」
・・デジタルな音程変化とアナログな音程変化、というべきでしょうか?
うまく説明できたか不安ですが、わかっていただければ幸いです。

さて、それでは。
ピアノでポルタメントを弾くことは可能でしょうか?
もちろん不可能です・・ピアノは「最初から鍵盤に割り当てられた音」しか鳴らすことはできません。そしてピアノの鍵盤は、半音単位でしか割り当てられていないのです。
そういう意味では、ピアノは「デジタル」な楽器と言えなくもありません。

対してトロンボーン等の金管楽器、コントラバス(ウッドベース)等の弦楽器は、腕の伸ばし方・指の押さえ方で「名もない音」を出すことができます。
例えばウッドベースで高い音を押さえたまま、指を弦伝いに滑り下ろせば、「プゥーン」とポルタメントすることができます。
そういう意味では、金管楽器とクラシックの弦楽器は「アナログ」な楽器と呼べるでしょう。

大分長くなってしまったので、今日はこれにて(笑)。
次回はいよいよギターに結び付けての解説です。
by boxster_sachio | 2005-01-21 23:22 | 音楽